JRAの超一流騎手、北村宏司様に直撃インタビュー!

イベント・オーナー
2018.02.22

 日本中央競馬会(JRA)の超一流騎手として、有馬記念などのビッグレースで活躍している北村宏司さんが、愛車『アルファロメオ4C』と共にT.BASE RACE&SERVICEを再訪してくれました(いつも、ありがとうございます)。

 以前、お会いしたときには名刺を差し上げて、軽くご挨拶した程度だったので、今回はメモを片手に到着するのをお待ちし、がっつりインタビューさせていただきました。

 まず筆者がお訊きしたかった(ずっと気になっていた)のはクルマ好きであることを公言している北村さんの車歴で、失礼を承知の上でお伺いしてみたところ、アウディ R8から4Cとメルセデス・ベンツSLS AMGに乗りかえたのだと教えてくれました(さすが、ですね)。

 R8ではサーキットを走らなかったものの、昨年、鈴鹿サーキットで開催された『AMG DAY in SUZUKA CIRCUIT』に参加したことでSLS AMGでは鈴鹿サーキットを走行したことがあるらしく、本格的にサーキットを走るようになったのは4Cを買ってからとのことでした。

 4Cを購入し、何かいいチューニング・パーツがないかなぁ~とインターネットで調べているときにTEZZOのことを知ったそうです。そして、太田哲也氏が校長を務めているinjured ZEROプロジェクト Tetsuya OTAスポーツドライビングレッスン(主催:株式会社スポーツドライビングジャパン)に参加し、その後、同じくスポーツドライビングジャパンが主催しているサーキットでの少人数レッスンにも顔を出すようになったそうです。

 乗って操るという意味において、競馬とサーキット走行に共通項はあるのか?ということも、北村さんの過去の車歴と同じぐらい筆者が気になっていたことなので、そのことについてもストレートに伺ってみました。すると、北村さんはこのように返答してくれました。

「競走馬は性格や脚質がそれぞれなので、一度セッティングしてしまえばドライバーが意のままに操ることができるクルマとは根本的に異なります。ですが、集中して乗るという意味においては少し似ている部分があり、例えばサーキット走行時にコーナーでミスをしたことを次の周回に引きずらないようにすること、つまり素早く気持ちを切りかえて走り続けるというアクションが、競馬においても前のレースでミスしてしまったことを次の騎乗に引きずらないようにする、という強いメンタルにつながったりするのかな・・・とか思ったりしています。また、サーキット走行時に相手をリスペクトし、周囲の状況を確認しながら走ること、この場合は目線ということになりますが、これも競馬で役立つかもしれない・・・と思っています」。

 なるほど、と感心していたら、北村さんが話を続けてくれました。

「調教師との反省会で、競走馬をクルマに例えて話すことがあるのですね。この馬はハイギヤードだから加速性能がよくない、とか、この馬は後ろ脚が弱いからテールがコーナーで流れ気味になる、とか、この馬はエンジンは大きいけれどもフレームが貧弱だからトラクションがかからない、といった具合です。競馬に詳しくない方に競走馬のコンディションを説明するときにもこのほうが分かりやすくなるので、たまにクルマに例えていますよ」。

 最後にスポーツドライビングスクールや少人数レッスンで学んだ事柄の中で、何が印象的だったのかを伺ってみました。

「まず、なんといっても走る前の座学で理論を教えてもらえたのがよかったです。そして、コーナリングは穏やかに始まって穏やかに終わるのが理想で、加速度の時間変化率をグラフにするとキレイなベルシェイプ(釣鐘型)になるのがお手本だといえる、という話も印象的でした。サーキットでも一般道でもステアリングの切り始めを早くして、じわっとロールするきっかけを作り、スムーズにコーナリングするのがベスト、といったレクチャーは本当に勉強になります。また、摩擦円を使ったタイヤのグリップ変化の説明や、荷重移動の重要性についてもしっかり教えてもらえたので、座学後に走るのがさらに楽しくなりました。実際にタイムアップにつながったので、サーキットを走る面白さに気づいてしまったといっていいでしょう」。↑インタビュー日は、北村さんが少人数レッスン(上記写真)に参加された後の事後レッスン会があり、太田校長がデータロガーなどから北村さんの走りを解析し、アドバイスしていました。

 持ち前のドライビングセンスのよさで、太田校長もビックリするほど見る見るタイムアップしていく北村さんは、さすが超一流騎手!これからも4Cを巧みに乗りこなしていくはずです。また機会がありましたら、TEZZOアルファロメオ4C専用バケットシートキットを装着し、サーキット走行をしてみた際の感想などを伺ってみましょう。

文:高桑秀典