レースレポート:アルファロメオ 4C ラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)

TEZZO CARSチャレンジプロジェクト
2018.02.15

 アルファロメオ 4C ラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)が今年も素晴らしい成果を挙げており、去る2月11日に開催された『Alfa Romeo Challenge 2018Kanto Rd.1』において、見事オーバーオールでの予選1位を獲得しました。

 会場となった筑波サーキットはTEZZO 4Cにとっても初めてだったので、レース前日にテストを実施。フロントのスタビライザーは仕様が決まっていたものの、リアは決定していなかったので、純正よりもハード(太くて硬い)ものと、純正よりもさらにハード(さらに太くて硬い)ものの2種類を持ち込み、走行テストを行いました。一般公道での乗り心地チェックも含め、様々なテストを行った結果、一番太いフロント・スタビライザー(純正比:約1.7倍)、リア・スタビライザー(純正比最大値:約2倍)のフィーリングがよかったので、これを装着することにしました。

 袖ヶ浦フォレストレースウェイとは異なり、筑波サーキットはコーナーが回り込むタイプのコースなので、アンダーステアを消す方向にセッティングするのが有効だといえます。そこで一番太いリア・スタビライザーを装着し、3段階の強弱調整が可能なフロント・スタビライザー(純正よりもハード)を最もソフト側の穴位置にセッティング。フロントの車高をさらに5mm下げ、でもトラクションを上げるためダンパーの減衰力を袖ヶ浦フォレストレースウェイ用セッティングよりも弱めて予選に臨みました。それらの細かなセッティングが功を奏し、1分3秒という好タイムが出ました。

 今回もラジアルタイヤ(ブリヂストン POTENZA RE-71R)で好タイムが出たわけですが、これはアルファロメオ 4C ラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)が進めてきた「足を闇雲に硬くして限界を上げる手法」ではなく、ドライバーが安心してアクセルやブレーキを踏めるように、あえて「マイルドなセッティングにしておくことが速さにつながる」というアプローチが正しかったことを再認識されてくれるリザルトでした。

 POTENZA RE-71Rは路面に吸い付くような高いグリップ力を実現している市販ラジアルタイヤで、ドライバーの感性と一致するステアリングフィールを楽しめる点などが各方面で高評価を得ていますが、その一方でライフが短い(消耗が早い)と一部のファンから言われているらしいです。

 しかし、アルファロメオ 4C ラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)では、足まわりのアライメントとセッティング、そして適切な空気圧調整によって4輪をしっかり接地させ、POTENZA RE-71Rの良さを引き出しているので、ライフがとても長くなっています。またタイヤのトレッド全面がキレイに接地しているので、タイム落ちせず、4輪ともよい状態で減っています。

 レース用タイヤとは異なり、ラジアルタイヤは連続走行を続けるとタイム落ちしてくるものですが、ラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)のアルファロメオ 4Cではそれがありません。つまり、ドライバーにもタイヤにも優しいクルマに仕上がっているというわけです。

 4Cのような高性能車は、ドライバーが怖がってしまうとアクセルを踏めなくなります。実際に、おっかなびっくりアクセルを踏んでいる4Cオーナーが多いとも聞きます。確かに4Cはショートホイールベース/ワイドトレッドなので、機敏な動きをしてくれる半面、セッティングが出ていないとナーバスな挙動となります。そしてエンジンの特性がドッカン・ターボ系で、さらに電子制御の入り方がドライバーの意図したものとは異なり、アンダーステアから急激にオーバーステアになったりするのでドライバーの不安を煽っていました。アルファロメオ 4C ラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)では、それらの要素を多角的に修正してきました。その修正・パーツ開発・走行テストの結果が、今回の予選1位につながったわけです。

 また巷では外づけECUチューニングのトラブルが報告されていますが、TEZZOが提供しているDTT ECUチューン(Digi-Tec by TEZZO)のソフトウェアはTUV(トゥフ、ドイツ技術検査協会)DIN ISO EN 9001:2000 の厳しい検査基準に合格しています。そのため、信頼性が高く、安心かつ大きな満足感を味わっていただけます。『Alfa Romeo Challenge 2018Kanto Rd.1』においても、ラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)のアルファロメオ 4Cが圧倒的な加速性能を発揮していたことがパドックで話題となりました。

 アルファロメオ 4C ラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)では、ただ単に速さを追求するのではなく、サーキットという場で4Cの素性を見極め、パーツを開発し、一般道での安全な走行につなげています。これから4Cをモディファイしようと思っているオーナーは、まずは安心して走れるようにするといいでしょう。具体的には、ブレーキパッドの変更やPOTENZA RE-71Rへのタイヤ変更といったメニューになります。

 TEZZOでは『TEZZO CARS コンプリートカー tuned by TEZZO』にて4Cのコンプリートカーも販売しています。アマチュアながらも頻繁にサーキット走行を楽しみたい方や、自分でコツコツ仕上げるのは大変なので最初から安心してアクセルを踏める実績のある4Cが欲しい方は、アルファロメオ 4C ラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)の今後に注目しつつ、この機会にコンプリートカーをご検討ください。

文:高桑秀典