TEZZO 4C RT1がALFA ROMO CHALLENGE Tohoku & Kanto Rd.2で総合1位を獲得

TEZZO CARSイベント・オーナーチャレンジプロジェクトニュース
2020.06.20

TEZZO 4C RT1が去る6月13日(土)にスポーツランド菅生で開催された「ALFA ROMO CHALLENGE Tohoku & Kanto Rd.2」に参戦し、ポールトゥーウィンで総合1位を獲得しました。

アルファロメオチャレンジ2020において、TEZZO 4C RT1は、RT1(アルファロメオ 4C ラジアルタイヤ最速プロジェクト)のコンセプトによりラジアルタイヤを装着し、車検対応であり公道走行可能なカスタムの範囲となっていますが、今季はSRクラス(Sタイヤ装着+無制限改造のスーパーレーシング)にエントリー。今回チョイスしたラジアルタイヤは、ブリヂストン POTENZA RE-71RSです。

TEZZO 4C RT1でスポーツランド菅生を走るのが初めてだったため、レース前日(東北地方としては異例の暑さで、路面温度が56度という高温となった)に練習走行をしました。

その結果、新しくチョイスしたブレーキパッドの効果が高く、耐熱性も効きも問題なく、ローターの摩耗も少なく、とてもいい状態であることを確認できました。ちなみに、これまで使っていたブレーキパッドは、耐熱性と効きに関しては満足できていましたが、4Cの純正ローターへの攻撃性が強いモノでした。4Cの純正ローターはフィン付きでドリルドディスクになっていますが ドリルドディスクは穴からクラックが入りやすく、サーキットを走るとライフが短くなり、4Cでは頻繁にローター交換になるのが欠点となっています。そのため、今回は、耐熱性をローター温度で最適化しつつ、ローターへの攻撃性も低いブレーキパッドを試してみました。レース前日の練習走行を4時間もできたので、連続走行で新しくチョイスしたブレーキパッドを試すことができ、ブレーキに過酷なスポーツランド菅生でも問題なく使えることが分かりました。また、ジワッと効くのでコントロール性が上がったことも確認できました(今回、フロントローターも新品で参戦)。今後は、この仕様でレースに臨みたいと思っています。

今回、4Cに対策が必要な問題として表面化したのは熱で、そもそも4Cは熱が上がりやすい構造で、熱に弱いのですが、これまで純正の計器類では正確な温度を確認することができていませんでした。新しく設けたメーター(油温計)で、暑かったレース前日にテスト走行したことにより、エンジンオイルの油温が140℃近くまで上がってしまうことを確認できました。具体的に説明すると、連続走行すると油温が135℃以上になることが分かりました。油温、水温、タービンの温度が非常に上がったことでチェックランプが点灯し、シフトダウンで3速に入らない状態となりました。温度が上がるとアルファロメオのデュアルクラッチAT「TCT」のコントロールがセーフモードに入ってしまうのです。一般道を走っているときも、凄く暑い日には同じ症状になることが前デモカーでも確認されています。そのため、前日の練習走行時は急遽ピットインし、吸気まわりを冷やすなどしました。この一連の出来事により、熱対策が翌日の予選・決勝では必須であることが分かったわけです。

現地でできることは限られていますが、仙台市のホームセンターでクーリング用のダクトや保冷材を買い込み、翌日は大量の氷を買い込んでエンジンルームを冷やす工夫をしました。レース当日は前日ほど暑くありませんでしたが、高温になるとパワーダウンするので、予選は2周で終えるプランにしました。しかし、2周目のアタックのときに遅いクルマに引っかかり、3周目にベストタイムを出しました。

予選前にもエンジンルームをクーリングしましたが、決勝前に本格的に冷却作業を実施。ルーフの脇からダクトを持っていき、タービンとエンジン各部を冷却しつつ、保冷剤をケースの中で縦に並べて、そこに空気ダクトを当ててエンジンルームを冷やしました。

決勝は、ロータスカップとの混走となりましたが、スタートダッシュに成功し、周回ごとに1位をキープ。油温、水温、タービンの温度を上げないように早めにシフトアップしましたが、どうしても登り勾配になっている最終コーナーでスピードが落ちてしまうので、各部の温度上昇具合をチェックしつつ、なんとか1位をキープできるように走りました。最終ラップで2位のロータスに追いつかれながらも、逃げ切って優勝することができました。

ポールトゥーウィンで総合1位を獲得と書くと楽勝だったように思われるかもしれませんが、実際には薄氷(熱板?)を踏む思いのレースでした。

文:高桑秀典