TEZZO CARS コンプリートカー tuned by TEZZO紹介その4/アバルト TEZZO 124スパイダー
TEZZO CARS/サービスファクトリー/ニュース/製品・開発物語
2024.11.08
TEZZOの業務は多岐にわたりますが、コンプリートカーの企画、開発、少数限定生産、販売も手がけており、「TEZZO CARS コンプリートカー tuned by TEZZO」というブランド名でさまざまなモデルを展開しています。
メーカーの事情で生産されたクルマではなく、自分たちが実際に乗りたい、所有したいと思えるクルマを提供したい……。そのような想いを原動力として、TEZZOではコンプリートカーをデリバリー。
別の言葉で説明すると、それはユーザーとなるお客さまに「夢」を提供し、ずっと持ち続けたいと思ってもらえる一台を製作、販売することだといえ、常にそのクルマならではの価値は何か?ということを大切にしながら開発を進めています。
TEZZO CARS コンプリートカー tuned by TEZZOに装着されるパーツ(マフラー、足まわり、内外装パーツなど)には、当然のことながら一定の基準が存在します。その基準を満たすことは、TEZZOが自分たちの理想を叶えることでもあります。ですから、細部に至るまで徹底的にこだわり、ユーザーには見えない部分の美しさにも気を遣っています。
実際に開発車両で走り込んで、性能、使い勝手、芸術性をチェック。そうすることで、各要素を極限まで高めることを狙っています。具体的なイメージは「量産車がベースだが、気分はフェラーリ!」。
現代版のフォリ・セリエ(往時にカロッツェリアが量産車をベースにボディの形状を変え、性能や機能を高めた特別なクルマ)を提供したいと考えています。この機会に付加価値の高い夢のクルマとTEZZOの世界観を手に入れてみてはいかがでしょうか?
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第4弾として紹介するのは、TEZZO CARS コンプリートカー tuned by TEZZOのアバルト TEZZO 124スパイダー。
TEZZOの流儀であるスポーツ&ラグジュアリーの方向性で各部が仕上げられており、アバルト TEZZO 124スパイダーも大人が乗って日常的に使えるデイリースポーツとなっています。
TEZZOでは、2017年1月にアバルト124スパイダーをデモカーとして導入。当初、どのような方向に進むべきなのかを考えあぐねていました。そもそも124スパイダーはマツダのNAロードスターをベースに開発されていますが、単にボディの意匠を変えただけのオープン2シーターではありません。
エンジンはロードスター用の1.5リッターから自社製の1.4リッターターボに換装されており、大幅にパワーアップ。魅力を増しています。足まわりに関してもロードスターの柔らかく大きくストロークするセッティングから、ロールを抑え気味の方向で、現代的なスポーツカーのトレンド合ったものにしています。
セッティングし直し、アバルトならではの走りのキャラクターを与えました。TEZZOの基本精神は、純正の魅力をさらに高めることにありますが、そこにどんなキャラクターを付与すべきかを悩んでいたわけです。
ベース車をさらに高品質に、性能も見た目の美しさもTEZZO流に引き上げるというTEZZOの伝統的手法があります。今回は基本に戻ってTEZZOの流儀であるスポーツ&ラグジュアリーの方向性で動き出し、テーマは大人が乗って日常的に使えるデイリースポーツとしました。スポーティではあるが高品質。そのためのアプローチとして、まずはロードスター色を一掃することを目標としました。
内装はNAロードスターの流用であり、ドアを開けて室内を見た瞬間に分かってしまうものです。イタリアン・デザイン・テイストはステアリングとレザーシートぐらいで、本当にそれぐらいしか見当たりません。そこでカーボンパーツの装着とバレルンガ by TEZZOによる本革で上質感を出すことにしました。
具体的には、グロスのカーボンパーツを付加することで、一気に個性をアップする作業を行いました。スカッフプレートは足を載せるにはもったいないほどの輝きで、印象はまるで変わります。ドアハンドルも単にカーボンパーツを被せるのではなく、裏側から見て元の色が見えないようにカーボンシートで隙間を埋めるなどして細かい点まで妥協せず、一気に品質を上げています。
足まわりもガチガチの乗り味はTEZZOが嫌うところです。路面のあたりは柔らかいものの、高速姿勢安定性は高く、が理想です。ラグジュアリーな乗り味でありながらも、スポーツカーなのでサーキットなどを走ったときの扱いやすさも必要となります。そうなると速さを獲得するための方法論としては足を硬くするということになりますが、ただ単に固めるのではなく、タイヤとブレーキの前後バランスを最適化することによってラップタイムを稼ぐ手法を採用しました。
TEZZOの車高調はフリクションを排除し、スムーズな動きを実現しています。そのため、前後のグリップバランスの最適化によるトラクションを確保できます。20段階ワイドレンジ減衰調整式で、任意の車高調整が簡単となる全長式車高調整機構を装備。そして、日常の走りからワイディング、サーキット走行に至るまで、さまざまなロケーションでロングテストを行い、それぞれでベストな着地点を見つけました。その上でベストポジションを設定。さらに大きな調整幅を持たせることで、オールマイティさを身につけました。
マフラーに関しては、サイレンサーの美しさにも注目してください。熟練した職人が1本1本造っています。サイレンサーに缶詰めのような折り返しがないのはTEZZOの伝統です。1本1本丁寧に製作し、職人が磨いている光景を、その光り輝くSUS304(ステンレス鋼)の輝きから想像してみてほしいです。
ホイールには、TEZZOの定番となったTEZZOプロドライブホイールをセット。0.5Jほど純正よりも幅を広くすることでワイド化し、さらにはタイヤ剛性、圧倒的軽量化による運動性と燃費性の向上をもたらします。また、彫りの深い鍛造のディテールとシャープなエッジ部分が本物のスポーツカーであることを主張します。
アバルト TEZZO 124スパイダーは、日本のメーカーが造ったNAロードスターに、世界に誇れる技術を有する職人による手の込んだ高品質パーツを組み込むことで、ベース車とはまったく異なる提案がなされています。
またインテリアは、カーボンと本革の絶妙なる融合のセンスで仕上げています。カーボンはスパルタンなイメージが強く、それオンリーだと車内が暗い雰囲気となります。スポーツ&ラグジュアリーのコンセプトを表現するために、TEZZOバレルンガシリーズを組み合わせて構成しています。
TEZZOバレルンガシリーズは、本革最高級レザーを使用。色合いは純正の赤の内装に対して、普通であれば同色の赤を取り入れがちですが、TEZZOでは見た者をハッとさせる効果を狙い、アイボリーホワイトでチャレンジすることをチョイスしました。しかしながら、TEZZO伝統のペンタゴンステッチとセンターラインに赤を使用することで、純正色の赤との融合もおこたりなく、まるでフェラーリのようなスポーツ&ラグジュアリーな世界観が展開する仕上がりとなっています。
文:高桑秀典