日産リーフ・チャンピオンレース 今季第4戦レポート by 太田哲也氏

イベント・オーナーチャレンジプロジェクトニュース
2019.12.10

☆走行時はエアコン(クーラー)でバッテリーを冷やしながら走行する仕組み。

◎はじめに

EV(電気自動車)時代の本格到来に向け、社内にEV事業部を発足させたTEZZOでは、近い将来により一般化するであろうEVモータースポーツを見据えたデベロップメントを目的として、日産リーフ・ワンメイク・スプリントレース・シリーズにチャレンジしています。レースに参戦するとそのクルマの素性がよく分かるため、サーキットで実践的なノウハウを集めることで、それらのデータが将来TEZZOがEVスポーツカーを造る際に役立つわけです。

日産リーフだけのワンメイク・スプリントレース・シリーズとは、JEV(一般社団法人 日本電動自動車振興会)が主催している新旧リーフが混走する『日産リーフ・チャンピオンレース(LCR)』と呼ばれるEVプロダクションカーレースのことです。JAFの国内格式レースに準拠して運営されています。

自動車評論家/レーシングドライバーの太田哲也氏が昨年の9月22日に筑波サーキットで開催された同レースの第3戦を制し、今季第1戦(3月23日)で総合2位となり、続く第2戦(5月25日)で再び総合優勝。第3戦(9月1日)で総合2位となったことは既報のとおりです。

今回は第4戦(11月16日)のレポートをお伝えします。下記が太田氏のコメントです。「第4戦は高性能/大容量バッテリーを積んだハイパフォーマンスモデルのリーフe+(イープラス)の登場で、性能差とパワー差がこれまで以上に出ました。リーフe+は予選で7周もアタックしましたが、こちらは1周のみに抑えました。予選は3位でした。決勝レースでは、スタート直後の第1コーナーの進入時に予選1位のリーフe+に並べたものの、第1コーナーの途中で先行されてしまい、もはや追いかけることができませんでした。しかも、最終ラップにバッテリーの温度が上がってしまい、セーフモードに入ったのでパワーダウン。先代リーフに追いつかれそうになりましたが、なんとか2位でフィニッシュできました。今回のレースにおいても、高性能/大容量バッテリーを積んでいるリーフe+が優位さばかりが目立ちました。そして、EVの可能性と限界が分かりました。レースに限らず、市販車も現状のバッテリー能力に限界があり、結局、高性能/大容量バッテリーを積む大型車が正解なのだろうと思いました」。

文:高桑秀典