アバルト 595用インタークーラーのテストが完了(間もなく発売)!
TEZZO CARS/サービスファクトリー/ニュース/製品・開発物語
2024.03.16
花粉がスゴイ時期を経て、そろそろ桜が咲きますが、春が来て、梅雨を過ぎると、今年も間違いなく猛烈に暑い夏がやってきます。
暑さは趣味性が高いクルマの大敵で、特に両脇に別れて斜めにレイアウトされているアバルト 595の純正インタークーラー(ターボチャージャーなどの過給機の圧縮により温度が上がった空気を冷却する熱交換器)は取り付け位置が悪く、なおかつ純正は容量が足りないので、冷却効率が悪く、パワーロスを招いています。そして、最高出力を上げたり、温度が高いとバランスが崩れ、さらに冷却効率が悪くなります。
( ↓ 純正インタークーラー)
( ↑ 純正インタークーラー)
そこでTEZZOでは夏があまり得意ではないアバルト 595の冷却効率を向上させ、パワーロスを減らすためにインタークーラーの開発に着手。先頃デモカーでのテストが完了し、販売することになりました(時期は要問い合わせ)。冷却効率が高い前置きインタークーラーとしている点がポイントで、抜群の冷却性能を発揮することができます。
改めて説明すると、アバルト 595のようなターボエンジン車は、ターボチャージャーで加圧した空気をエンジンに送っていますが、吸気に圧力がかかっているので温度が高くなってしまっています。空気をエンジンに入れる前に冷却しておかなければ、燃焼(燃費)効率やエンジンのパワーが低減し、仕事量と消費されたエネルギーとの比率が悪くなります。
そこで吸気温度を下げるための仕組みであるインタークーラーが活躍するわけですが、簡単に説明すると、コンプレッサーから入ってきた空気を冷やし、タービンに送るのがインタークーラーの役目ということになります。
冷たい外気をエンジンルーム内の熱の影響を受けにくいカーボンエアーボックス内に取り込み、流入速度を高めてエンジンに圧送しているTEZZO カーボンエアインテークシステムと一緒にTEZZOの前置きインタークーラーを装備すると、出力やレスポンスの向上のみならず燃費の改善なども期待できます。
ちなみに、デモカーのアバルト TEZZO 595 RT1(アバルト 595 コンペティツィオーネ)は、ALFA ROMEO CHALLENGE 2023/ABARTH CHALLENGE 2023においてインタークーラーの実装テストを重ねました。
富士スピードウェイのレーシングコースで2023年7月9日に開催された「ALFA ROMEO CHALLENGE 2023 Kanto Rd.3/ABARTH CHALLENGE 2023 Kanto Rd.3」のときは湿度が90%以上あり、エンジンルーム内に熱がこもりやすかったのですが、インタークーラーの冷却効率をアップしたことにより、ストレートスピードが速くなり、タイムアップにつながりました。
このレースの前々回ぐらいの参戦時から、デモカーに装着したインタークーラーの効果があったことが確認されています。TEZZOのロゴが入っているのが新製品のインタークーラーで、夏場になったらさらに威力を発揮します。
TEZZOでは鋭意パーツを開発し、それを装着したデモカーで実際に走り、テストしてみて、どういうデータになるのかを把握。常にその作業を続け、製品にフィードバックしています。
文:高桑秀典