太田哲也氏がリーフ NISMO RCの試乗会に参加

TEZZO CARS / インプレッション / ニュース / 製品・開発物語
2019.07.12

先日、自動車評論家/レーシングドライバーの太田哲也氏がリーフ NISMO RCと呼ばれるEVレーシングカーの試乗会に参加してきました。市販車(リーフe+)のバッテリーシステムを流用し、シャシーがドライカーボンで製作されている4輪駆動のリーフ NISMO RCは、リーフの電動化技術とNISMOが長きにわたって培ってきたレース技術を融合させたプロトタイプカーです。市販車でもレースカーでもないので、日産の技術をアピールするためのデモラン車ということになります。

市販のモーターとバッテリーを流用して、どのぐらいスポーティなクルマを造れるか、ということをNISMOが試し、EVモータースポーツのポジとネガを見極めるためのクルマでもある、と言えるので、そういった意味においては「実験車」ということになるでしょう。

以前もお伝えしましたが、EV(電気自動車)時代の本格到来に向け、社内にEV事業部を発足させたTEZZOでは、近い将来により一般化するであろうEVモータースポーツを見据えたデベロップメントを目的として、日産リーフだけのワンメイク・スプリントレース・シリーズにチャレンジしています。レースに参戦するとそのクルマの素性がよく分かるため、サーキットで実践的なノウハウを集めることで、それらのデータが将来TEZZOがEVスポーツカーを造る際に役立つわけです。

そのため、今回の試乗においても、太田氏は今後の参考とするために「バッテリーの温度が上がり、55~56℃ぐらいになるとセーフモードに入ってしまい、著しくパワーダウンする」というEVプロダクションカーのネガの部分をリーフ NISMO RCがどのように克服しているのか、あるいは克服していないのか、という部分についてチェックしてきました。

TEZZOでは、日産リーフ・チャンピオンレース参戦マシンのバッテリー(金属ケースで囲われているのでバッテリーセルを直接冷却することができない)をウォッシャー液のポンプを活用して造ったバッテリーケース冷却装置にて冷やしていますが、リーフ NISMO RCはバッテリーケースの穴からダクトをさし込み、バッテリーセルを直接冷却できるようにしていました。しかし、それでも袖ヶ浦フォレストレースウェイを十数周走るとバッテリーが温度上昇するらしいので、やはり、周回を重ねるレースに出るのは難しいことが分かりました。

今回の試乗にて分かったことは、TEZZOがEVプロダクションカーのレースで悩んでいたバッテリーの冷却問題をリーフ NISMO RCも抱えていたということで、NISMOも、この答えの出ていない新領域にチャレンジしていくためにリーフ NISMO RCを造ったそうです。

EVモータースポーツは、まだまだ黎明期で、誰もがスタート地点にいるといえます。ガソリンエンジンの世界で、いまからプライベーターがF1マシンを造ることは夢物語ですが、EVの世界においては高性能なレースカーを造り出せる可能性があるわけです。すでに日産リーフ・チャンピオンレースにおいてバッテリーを冷却し、さまざまなノウハウを蓄積しているTEZZOもバッテリーを冷やすためのチューニングパーツのリリースを目指しているので、ご期待ください。NISMOにもEVモータースポーツの底辺拡大のための技術サポートを期待したいですね。

文:高桑秀典