自動車雑誌ライター「高桑秀典」による突撃インタビュー 4Cラジアルタイヤ最速プロジェクト(RT1)の真意とは?

チャレンジプロジェクト
2017.11.19

●Vol.02

高桑)前回、より4Cオーナーにサーキット走行を勧められるようにと、怖くなくて、きちんと走れて、なおかつ楽しい4Cを造ることにしたと伺いましたが、どんな方向性でしょうか?

太田)パワーのない小さなクルマのように闇雲にグリップの限界を高めるのではなく、グリップの変化量をできるだけ少なくするというアプローチです。

高桑)具体的には?

太田)まずは路面追従性を高めなければなりません。そのためにはガチガチではないメカニカル・グリップです。たとえばリアウイングをつければ中高速コーナーでオーバーステアは解消するでしょう。そうしたアプローチをとるチューナーやオーナーさんもいらっしゃるようです。しかし空力では低速コーナーでのオーバーステアは消せません。エンジニアといろいろ議論して、安易に空力に頼らず、まずは前後バランスの向上を伴うメカニカルグリップを突き詰めるべきだという結論に至りました。

高桑)私も公道で乗せて頂きましたが、路面の起伏に合わせてスムーズに足が動いてとても乗り心地がいい。むしろ純正よりもよかったです。もちろん、サーキットなどでも楽しく走れる足まわりを具現化しており、実際にアルファロメオ・チャレンジでは多くのSタイヤを履くクルマさえも凌駕し、スパタイGPでも、仮想敵と思われたロータス・エクシージやエリーゼ、ポルシェ・ケイマンなどに対しても好成績を収めていますね。改めてアルファ4Cは、ダイナミックなミッドシップ・プレミアムスポーツカーとして登場しました。高価なカーボン製バスタブ型モノコック、FRP外板、アルミ製サブフレームなどを採用していますね。スタイルがよく、スペック的にも凄いので、憧れのアルファロメオとして数多くのファンを魅了していますね。

太田)確かにおっしゃる通りで、4Cを買ってみてその手作りに近い作り込みの素晴らしさに、手に入れてよかったというある種の「所有欲」を満たすことができています。きっと十数年したら値上がりするだろうと投機的な視点でもOKです(笑い)。ただ……。

高桑)ただ?

Vol.03へ続く。